レベルストークにて朝9時にゴンドラ集合
今日は日本を代表するビッグマウンテンスキーヤー佐々木 悠とのセッションだ
YUとはウィスラーに住んでいた時に知り合った仲
気づけば10年来の友達だ
同じタイミングでウィスラーに引っ越し、多数あるウィスラーのパークのうちレベルの高いパークで滑っていた数少ない日本人スキーヤーだったことで、ゲレンデで会えば一緒に滑る仲だった
ただYUは僕よりも若く当時10代だったにも関わらず、その時から負けず嫌いは際立っており、常に闘志むき出しの滑りだった
そして僕がカナダから引き上げ通常の学生生活に戻ってからも、YUはカナダに住み続け、早い段階でパークからビッグマウンテンへと活動の場を移していた
その頃はパーク全盛期であり、パークスキーこそがカッコよく、ビッグマウンテンやバックカントリーなんてオジさんがやるもんだと思っていた
そんななかYUは、その後ブームが到来するのを予想したようにバックカントリーでのフリーライディングで大成功を収めた
おそらく日本で同世代のパークスキーヤーがチヤホヤされているのを見て、焦りもあったことと思う
それでも自分の信念で活動を続け、今ではビッグマウンテンで日本を代表するスキーヤーとなったのだ
いや、正確にはカナダを代表するスキーヤーに成長し、その後日本に逆輸入で知られるようになったという表現が正しいか
その証にYUはスキーヤーとして初めてHeart Filmsでパートを獲得した
ネットでの動画配信が盛んになりDVD販売数が激減するなか、Heart Filmsはウィスラーを中心に撮影を繰り返し、いまだにDVDを発売し続けている数少ないレーベルだ
そのレーベルでパートを取り、そして豊富なバックカントリーとトレーラーの経験を生かして、いまや撮影の大黒柱となった
YUなしではHeart Filmsは活動できないだろう
Yu Sasaki @ Revelstoke |
YUとは、彼の出身地である北海道に帰国しているタイミングで何度か一緒に滑ることがあり、その都度成長を目の当たりにしてきた
ただ、それはあくまで日本の生易しいフィールドでの滑り
今回は、YUが気に入ってわざわざベースを移したという彼のホーム、レベルストークでのセッション
どんな滑りを見せつけてくれるか楽しみだった
この日はYUの家に4年ほど前に住み込んでいたワーホリメイト、タクヤとその仲間たち3人、そしてレベルストークローカルのライアン、その彼女のクリスティーンの8名での大所帯セッションだ
ゴンドラにてセッションメンバー |
タクヤたちはキャンピングカーでアメリカ〜カナダにてロードトリップを続けている20代前半のメンバー
みんな若く勢いがあった
男仲間4人で旅なんて、どんなに楽しいだろう
青春っぽくて羨ましかった
ライアンは、とにかくスティープ(急)な斜面を好むジャンキー
パウダーボード1本でグリグリ回してガツガツ攻める
ローカルであるライアンのガイドでウォーミングアップに向かった
いきなりハイクし、いきなりクリフ(崖)を指差している
そしていきなりぶっ飛ぶ
待てよ、あまり滑り込んでいない僕には朝から冗談が過ぎるぞ
しかもバックカントリーに行くもんだと思い、シールからレスキューギアからアイゼンまで詰めた僕のバックパックは10kg近い重量だ
攻める気なんて起きない
その後も「パウダーが残ってるぞ」と崖に出っ張っているだけの雪が積もった踊り場を指差す
いや、あれは残っているんじゃなくて・・・とツッコむ間もなく飛んで行く
どうやらボケではないらしかった
それにYUは着いていき、いやむしろパフォーマンスを増して魅せつけ返す
ライアンにも驚いたが、YUのパフォーマンスには度肝を抜かれた
ムービーで見るのと、実際に急斜面を目の当たりにして本物の滑りを見るのとでは訳が違う
ムービーでは急斜面を前にした足がすくむほどの恐怖や、それを克服した時のアドレナリンは伝わりにくい
実際に本物の滑りを体験すると、これまでと見方が変わる
クリフと、超スティープな斜面と、ガチガチのバンクが続くタイトツリーラン
滑っている最中に太ももがハチ切れそうになる
そして踏ん張りが利かなくなる
ツリーの感覚はタイトだし、どのラインも半端じゃなく長い
かといって休憩を入れる余裕もないスピードでみんな飛ばす
TKY |
カナダで滑り込んでいるメンツに完敗し、午前中で体がバキバキになった
日本で滑っていても、やはり海外のゲレンデでは通用しない
完全に管理された日本の環境は、斜度も易しく、距離も短く、綺麗に整地され、誰がどう滑っても安全だ
ブリッケンリッジやマウントフッドに続き、この旅では再三打ちのめされた
鍛え直そう
滑り込もう
夕方山頂までハイクした時には体じゅうツリそうだったが、なんとか1日を怪我なく終え、思いバッグを降ろし、モーテルに帰って安心した
そして嫁を連れてYUと食事へ出かけた
レベルストーク山頂にて |
【3/10 WED】
通常の疲れなら寝れば治る
寝れば治るが僕の口癖だ
ただ、昨日の疲れが全く取れてない
尋常じゃない疲労が朝から残る
どうやらタクヤたち20代前半組でさえ今日はダウンしているらしい
それも納得するくらい昨日はハードだった
しかし、YUはどうやら疲れてはいない
昨日の滑りがウォーミングアップだったそうだ
今日は降雪があったので雪が柔らかく、攻める気マンマン
このギラつきがいかにもYUだ
パウダーにありつくべく、営業開始前からゴンドラに並ぶ
今日のメンバーはクリスくん、そしてアカリちゃん、そしてYUを含む4人
クリスくんはその名をもってしてまさかの日本人
レベルストークに住んでいる旅人だ
ユーコンやアラスカへのトリップ経験もあり、すぐに意気投合した
アカリちゃんは知床出身のYES SNOWBORDINGライダー
パイプからビッグマウンテンに移行した、道東の未来を担うスノーボーダー
みんなこの山にトレーニングに来ているのだそうだ
確かにウィスラーより遥かに空いている
そして物価は安い
何より急斜面やクリフが半端じゃなく多い
しかもどこもリフトで簡単にアクセスできてしまう
そしてこのゲレンデは北米で最も標高差が大きい
とにかく滑り応えがハンパじゃないのだ
フリーライドワールドツアーの開催地となるだけのスケールを兼ね揃えている
しかもエグいライダーがたくさんいる
ビッグマウンテンを鍛えるのにこんな環境はそうそうない
ファットスキー畑 |
4人で朝イチのパウダーをいただく
リフト1本でも苗場の山頂からボトムまで以上の長さがありそうだ
しかも急
そして斜面はハード
朝から足がパンパンだ
最初はパウダーを楽しんでいたものの、だんだん無事に滑ることに集中している自分がいた笑
クリフを上から覗きラインを見る |
この日のYUは輪をかけて凄かった
クリフというクリフを飛ぶ
落差10m以上のクリフでさえサラッとメイクした
人が多いと燃え上がるこの男は、間違いなくアスリート気質だ
10mオーバーの崖を飛ぶ |
クリフ畑 |
どこでも飛ぶ |
ブリッケンリッジにてセッションしたYU Yoneyaを思い出した
スキーのジャンルは違えど、奇しくも二人ともYUという名前
そして俗に言う海外組だ
※コロラドまでYu Yoneyaの応援に駆けつけセッション手記はこちら
二人に共通する点は自分に厳しくストイックな点
そして自分の今後を明確にイメージし、それに向かって猛進する点
潤滑にスキーの活動をするために自分の環境にこだわる点
その結果として二人とも敢えてスキーの環境が整った海外に身を置いているのだった
海外でスキーをするというのは一見羨ましいことだが、これが仕事でありこれが毎日であり結果が求められていると思うと、本当に大変な職業だ
この二人の行動力、そして結果に結びつける精神力には尊敬する
その結果のビッグスポンサー
多くのライダーはスポンサーをないがしろにし過ぎだと思う
スポンサーはライダーのステータスになるために出資しているのではない
売り上げ増に貢献できないライダーは契約を切られてしかるべき
ウィンター業界の市場が厳しい今、肩書きだけのライダーは生き延びられない
売り上げを作ってくれるライダーこそが重宝される
その点二人のYUはライダーの鑑だ
スポンサーへの働きかけやアピールが徹底している
これぞプロスキーヤーだ
Heart Films の撮影に欠かせないYUのトラックとモービル スポンサーであるPeak Performanceの全面協賛らしい |
この日も体は悲鳴をあげたがなんとか無事滑り終わった
そして妻を連れてホットタブで体をほぐし、中華料理を楽しんでお別れした
YUの今後のさらなる活躍を祈る
そして大いなる刺激をもらったことに感謝
2日間僕の行動を理解し、モーテルで待機してくれた妻にも感謝
(時間を持て余す妻にWiFiルーター貸してくれてありがとうYU 笑)
違った目線と独特の感性でオモシロいです
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